さびのらいhuのーと

未定暫定腐ってる感じの何かご用心

ここへ漂着された方へ。
こちらはSavi(さび)によるMMORPGTW(テイルズウィーバー)腐二次創作を中心としたブログです。
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お題短文「2.気安く触るな」(ジョシュシベ)

確かに恋だった

 ↑こちらのお題サイトさんからお題を借りました。

ツンデレな彼のセリフ

2.気安く触るな

です。
 
キスのみ。ジョシュシベ短文。

 

 
 
 
2.気安く触るな
 
 
 
 
「気安く触るな」
そう言ってぶすっとした顔のシベリンを見て、ジョシュアが目を丸くする。
頬に触れていた指がそっと離れて。しん。と一気に室温が下がったように感じて。
読書しながら片手間に自分を弄るジョシュアにむっとして咄嗟に言ってしまったその言葉の、言い方がまずかったと気づいたが、もう遅くて。
「…さ、触り過ぎなんだよ…」
引っ込みもつかず顔をそらしてそう言って、自分の頬があっという間に熱くなるのを感じてそれが失言を認めているようで居た堪れない。
一方ジョシュアは顔をそらして目を合わせてくれない恋人の、座っているソファーのカバーを握りしめる手の動きを見て意地悪そうに微笑んだ。
「ねぇ…それってわざとやってるの?」
「…え?」
 
「わざとなわけないか。」
言葉の意味がわからないシベリンが訝しげに顔を上げると、それを待っていたかのようにジョシュアの手が伸びてきてぐっと顎を掴まれる。
「あぁ。雑に扱えばいいの?そういう方が好みだった?」
「え、…え?」
「優しい触り方じゃ嫌だったの?」
「そんな意味じゃな…」
わけの分からなさに驚いて無理やり合わされた目を見れば、冷たい笑みが張り付いたように怖くてきれいで。変に刺激してしまった、と後悔してもこうなってしまうともうどうにもできない。
「い、痛い、ジョ…ん」
形の良い唇が目前まで来たと思えばそのままキスをされて、顎を掴んでいた指先が這うように首元に移動したかと思えば唇を合わせたままゆるりと首を絞めてくる。
「んんっ」
「言ったよね」
ゆっくりと息が詰まってくる感覚と、唇を合わせたままジョシュアが喋るので振動で声が伝わって。まるで自分が喋っているかと思ってしまう。
「オレを拒まないでって」
じわじわと締まってきた首全体が心臓になったように脈打って、頭の芯がぼわりとしてくる。酷く苦しいのにシベリンは手も足も固まったように動かずに手を出せない。
「こんな触れ方じゃ、すぐダメになっちゃうでしょ?」
「…っ……」
ソファーを握りしめたまま限界とばかりに震えだしたシベリンの手をちらりと見て、唇をぺろりと舐めると首を絞めていた指の力を緩めてやる。
「オレなりに大事にしてるんだけどなぁ」
ゴホゴホと俯いてえずくシベリンを頭ごと力任せに上向かせると閉じた目尻に涙が滲んでいた。
「ま、どっちでもいいけど。痛くも苦しくもないのがいいでしょ」
優しく涙を拭われながらそう囁かれて、最早論点がズレていることにシベリンの痺れた頭は回りきらずについ頷いてしまう。
ジョシュアはすっかり大人しくなったシベリンを片腕に抱き込んだまま読みかけていた本を再び開いた。
 
 
一気に疲れたのかうとうととし始めたシベリンのかさついた唇を爪でそっとなぞる。ぴくりとも反応しないところを見ると一瞬で眠りに落ちたのか。ジョシュアはふ、と笑って頬を撫でる。
「言うことやること全部正されてるって気づいてる?…ひっくり返して欲しくてわざと言ってるの?」
力の抜けた腕を取って手首にキスをして。
「わざとでもそうでなくてもどっちでもいいけどね」
「毎回毎回…ちゃんと教えてあげるよ」
くたりと自分に上半身を預ける形で寝ているシベリンの首元にうっすらついた指の跡を、ジョシュアは愛おしそうになぞると頬にそっとキスを落とした。
 
 
 
                                            ***
 
 
 
 
※シベリンがツンデレかどうかって話など吹っ飛んで、ジョシュアの病みっぷりが露呈する小話に…。どうしてこうなった。